コンパクトで扱いやすいトールワゴン「トヨタ カローラスパシオ」を解説!中古で購入するのはアリ?

それでは今週もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は、2001年から2007年まで販売されたトヨタの小型トールワゴン、2代目の「カローラ スパシオ」です。

いわば「5+2シーター車」

初代カローラ スパシオは、カローラの派生モデルとして1997年に登場。2列シート4人乗りと3列シート6人乗りのバージョンがあり、パワートレインは1.6L直4エンジン+4速AT+FFでしたが、やや遅れて1.8Lエンジンを積んだ4WDも追加設定され、同時に2列シート5人乗りも加わりました。

今回研究する2代目カローラ スパシオが登場したのは2001年5月のこと。開発テーマは「リラックス&フレックス」で、コンパクトなボディサイズはそのままに、室内空間を拡大して4~5人が楽に座れる居住性が追求されました。

2代目スパシオの特徴のひとつが格納式の3列目シート。通常は荷室として使用する2列目シート後方の床下に、2人掛けの座席を収納。いざというときのための補助席として利用できるという仕組みで、2代目カローラ スパシオはいわば「5+2シーター車」であると言えます。

エンジンは1.5Lと1.8L。途中から4WDも追加

パワーユニットは可変バルブタイミング機構を備えた1.5L直4DOHC(110ps/6000rpm 14.6kg/4200rpm)と1.8L直4DOHC(136ps/6000rpm 17.4kg/4200rpm)の2種類で、いずれも4速ATが組み合わされます。

駆動方式は当初FFのみでしたが、2001年7月にはビスカスカプリング式の「Vフレックスフルタイム4WD」を追加。これは、通常はFFに近いトルク配分なのですが、滑りやすい路面やコーナリング時などでは後輪に駆動力を移し、操縦性と走行安定性の向上を図るというものです。

2003年4月にはマイナーチェンジが実施され、内外装の仕様を変更。具体的にはフロントグリルとフロントバンパーを一体化して「スポーティ感」を演出しています。加えて前後サスペンションのショックアブソーバーを改良し、操縦性と走行安定性、乗り心地の向上を図ったのもこのタイミングです。

さらには従来から設定されていたバックガイドモニターに、見通しの悪い場所を映す「ブラインドコーナーモニター」機能と、情報ネットワークサービス「G-BOOK」もオプション設定されました。

「積極的に選びたい理由」があまりない車

そんなこんなで商品力を向上させる努力を重ねたカローラ スパシオでしたが、結論として販売は振るわず2007年6月には生産終了に。4カ月後に登場した「カローラ ルミオン」が実質的な後継車種となりました。

カローラ スパシオが販売終了となってしまった理由は、いろいろあるとは思いますが、基本的には「決定力不足」ということになるのでしょう。

もちろん運転して面白いタイプの車ではぜんぜんないのですが、かといってさほど悪い車でもありません。小ぶりなので運転しやすいですし、それでいて荷物はけっこう載りますので、実用的なファミリーカーであることは間違いありません。

しかし「まあまあ悪くない感じの実用的なファミリーカー」というのはスパシオ以外にも星の数ほどありますので、そのなかで「あえてスパシオを選びたい!」と思わせるだけのサムシングはなかった……ということなのでしょう。

1.5Lエンジンは正直トルク不足で、上り勾配では低めのギアを使わざるを得ないためどうしてもうるさくなります。それでも街乗りには十分なのですが、「それ以上の何か」を求めると、スパシオはちょっと辛くなります。

「通勤等のため安価な中古車が必要」というなら買う価値ありだが

そういう意味で、今からあえてカローラ スパシオの中古車を積極的に選ぶ意味もあまりないような気がします。

カーセンサーnetでは2019年6月18日現在、全国で15台のカローラ スパシオが掲載されており、その相場は10万~40万円といったところ。中心は「20万円前後」といったニュアンスでしょうか。

車両価格20万円ぐらい、つまり乗り出し価格30万円ぐらいで「何かとりあえず、通勤や買い物などに使える車を買う必要がある」といったケースにおいては、コンディションが比較的良好なスパシオの中古車を買うというのは決して悪くはない選択でしょう。

ですが、それ以外のシチュエーションで「カローラ スパシオの中古車が価値を持つ状況」というのが、筆者にはちょっと想像がつきません。

もちろん、お好きな人は買えばいいと思います。しかし基本的には、このまま「そっとしておく」のがカローラ スパシオという車に対する正しい接し方であるように思います。

多少なりとも何らかのご参考になったならば幸いです。それではまた来週!

[ライター/伊達軍曹]