「ホンダ モビリオ」は、初代フィットをベースとしたコンパクトミニバン。今これを買うならどのポイントに注目すれば良いのか

それでは今週もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は2001年発売のホンダ製小型ミニバン「モビリオ」です。

外観のモチーフは欧州の路面電車

ホンダ モビリオは、初代フィットをベースとしたコンパクトミニバン。両側スライドドアと跳ね上げ式のリアゲートを持つ全長4mちょいの小ぶりなボディに、3列シート7人乗りの空間を実現しています。

初代フィット同様の「グローバルスモールプラットフォーム」を採用し、ノーズ部分を短くすることで広い室内空間を確保。そして従来はリアシートと荷室の下部に置かれていた燃料タンクがなくなったことで、荷室フロアをフラットとすることに成功しています。

外観デザインはヨーロッパの路面電車である「ユーロトラム」をモチーフにしたもので、採光性が良く、開放感も高いグラスエリアが大きな特徴。また車内は、燃料タンクを前席下に配置する「センタータンクレイアウト」により3列目シートを低く配置でき、多彩なシートアレンジも可能になっています。

搭載エンジンは初代フィットより200cc拡大された1.5L直4SOHCで、90ps/5500rpmの最高出力と13.4kgm/2700rpmの最大トルクを発生。組み合わされるトランスミッションはCVTであり、駆動方式はFFと4WDが双方が用意されていました。

その4WDシステムは「デュアルポンプシステム」というもので、通常時は前輪駆動です。しかし前輪の回転数が後輪の回転数を上回った場合、油圧制御の多板クラッチによって後輪にもトルクを伝達させる仕組みになっています。

約7年の間にけっこうな数のマイナーチェンジを実施

グレードラインナップは初代フィットと同じ「W」「A」「Y」の3種類ですが、最廉価グレードである「Y」はラジオすら搭載されない仕様であるため、実際は上級グレードである「A」と、最上級グレードである「W」の二択だったと言えるでしょう(より正確に言うなら、それぞれにFFと4WDがあるので四択ですが)。

2002年12月にはマイナーチェンジが実施され、装備の充実と質感の向上が図られました。具体的には最上級グレード「W」にパワースライドドア(リア左側)とイモビライザーを標準装備され、Aには運転席アームレストとマイクロアンテナが追加装備されました。また光沢ブラックサッシュとボディ同色電動格納式リモコンドアミラーもWとAに採用され、質感の向上が図られています。

2004年1月には再びマイナーチェンジが行われ、ホンダの得意技であるVTEC(可変バルブタイミングリフト機構)付き1.5Lエンジンが追加されました。最高出力110psとなるこのVTECエンジンが搭載されたのは「WT」および「XT」の2グレードです。ちなみにVTECエンジン搭載グレードのCVTは、ステアリングホイールのスイッチでMT感覚のシフトができる「7スピードモード付き」です。

さらに2005年12月にはまたもやマイナーチェンジを実施しました。このときはスポーティな「X」を新設定し、従来からの装備充実グレードである「W」と標準グレードである「A」を加えた3グレードになりました。

また同時に、全タイプにパワースライドドアとイージードアクローザー、イモビライザー、アレルフリーフィルターも標準装備。ステアリングホイールも新デザインとなり、さらにはメーカーオプションとしてBluetoothに対応した7インチワイドディスプレイ採用の「Honda HDDインターナビシステム」が設定されたのもこのタイミングです。

何度ものマイナーチェンジを受けながら販売が続いていたホンダ モビリオですが、2008年5月に後継にあたる「ホンダ フリード」が登場したことを受け、モビリオは同年6月にカタログから姿を消しました。

中古車の流通量は「やや少なめ」といったところ

以上がホンダ モビリオのざっくりとしたヒストリーですが、申し上げたとおり2008年には販売終了となっていますので、これからモビリオを買いたいとなれば「中古車」を探すしかありません。

で、その中古車マーケットが今どうなっているかというと、流通量は「やや少なめ」といったところでしょうか。ただし2019年3月半ば現在、おなじみカーセンサーnetでは全国で129台の方法が載っていますので、「少なすぎて探しにくい」というほどの少なさではありません。

2001年12月から2008年6月まで新車販売されたモビリオですが、年式別で見ると中古車が豊富なのは06年式。要するに「最後のマイナーチェンジ」を受けた以降の年式がもっとも豊富、ということになっています。

06年式から08年式までの流通台数は全国で70台といったところで、そのなかでは走行4万km台から8万km台の物件が中心となっています。この場合「平均」にあまり意味はありませんが、あえて後期型モビリオの平均的な走行距離を算出するなら「おおむね6.5万km」というのが、当たらずといえども遠からずな数字です。

中古車価格の目安は「総額40万円ぐらい」

では、おおむね走行5万km台から6万km台ぐらいのモビリオはいくらで買えるのか……といえば、これまたもちろん千差万別ではあるのですが、典型的なイメージとしては下記のニュアンスだとお考えください。

●07年式ホンダ モビリオ W|2WD
車両本体価格:30万円
支払総額:40万円
走行距離:5.5万km

もう少し安い個体も多いのですが、「上級グレードで、なおかつ内外装の状態が良好なモノ」を探すとなると、おおむねこのぐらいが近い線となるはずです。

今の世の中にはたくさんの種類のミニバンがありますし、モビリオぐらいのサイズのコンパクトミニバンも多数あります。また正直申し上げて、モビリオより設計年次が新しいミニバンのほうが「総合力」では確実に上でしょう。

しかしモビリオには、見てのとおりの「唯一無二の個性」があります。もしもこの個性がかなり気になる! というのでしたら、総額40万円クラスの中古モビリオは、今なお注目に値する選択肢だと言えます。

ただし購入時、整備履歴の確認と試乗は必須!

とはいえ一部のモビリオは、ダイレクトイグニッションコイルとプラグの不良により、発進時にガクガクしたり、エンストしてしまったりする症状も出ています。またCVTの状態も、年式的にかなり気になるところではあります。

それゆえ購入時は価格や装備などだけを目安とせず、いわゆる整備履歴をしっかり確認し、そして最終的には試乗も行って、前述の問題等が出ていないかを必ず確認するようにしてください。

少々のご参考になったならば幸いです。それではまた来週!

[ライター/伊達軍曹]