三菱のSUV的ミニバン、「三菱デリカスペースギア」の中古車は今なおけっこうな人気を集めている

それでは今回もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今回のお題は、1994年から2007年までの長きにわたり販売された三菱のSUV的ミニバン、「三菱デリカスペースギア」です。

この世代から「フロントエンジンレイアウト」に変更

デリカスペースギアは、三菱のデリカシリーズとしては4代目のモデルとして1994年5月に登場。その前身は、これまた人気モデルだった「デリカスターワゴン」です。

3代目のデリカスターワゴンはキャブオーバーレイアウト(主にトラックなどに採用される、エンジンの上にキャブ=運転席があるレイアウト)でしたが、4代目のデリカスペースギアでは一般的なフロントエンジンレイアウトに変更されました。キャブオーバーレイアウトでは必然的に1列目シートと2列目シートとの間に段差が生じてしまいますが、デリカスペースギアは乗用車と同じフロントエンジンレイアウトになったため、1列目から3列目までのウォークスルーが可能になりました。

室内ウォークススルーをひと足先に実現させたミニバンは「天才タマゴ」こと1990年登場の初代トヨタ エスティマでしたが、1994年登場の三菱デリカスペースギアも、エスティマを追う形で人気車種へと育っていきました。

パジェロベースならではのオフロード性能が魅力

ただ、今しがた「エスティマを追う形で」と便宜上申し上げましたが、実際にはトヨタのエスティマとはちょっと違うニュアンスで、違うジャンルの人々に愛されていたのがデリカスペースギアという車です。

愛された理由は「オフロード性能」でした。
三菱デリカスペースギアの基本的なベースは、屈強なクロカン四駆として有名な2代目の三菱パジェロ。スペースギアのボディ構造は2代目パジェロのラダーフレームを一般的なモノコックに融合させたもので、これにより、モノコックボディならではのクラッシャブル構造を備えるとともに、本格4WDとしての性能も持ち合わせたのです。

参考:三菱のデリカスペースギア売却専門ページ

そしてデリカスペースギアはサスペンションも凝っていて、フロントはダブルウィッシュボーン式で、リアはさらに凝った「5リンク式」を採用。そのため、背の高さからは想像できないほどオンロードでしっかり走り、そして横風にもけっこう強い車でした。

エンジンはガソリンとディーゼルターボを用意

搭載エンジンは3L V6気筒SOHCと2.4L直4SOHCという2種類のガソリンエンジンのほか、2.8Lおよび2.5Lの直4SOHCディーゼルターボを用意。特に人気だったのは3LガソリンのV6と2.8Lのディーゼルターボで、ディーゼルターボのほうはオフロード走行に適したトルク特性であったため、アウトドア志向の強いユーザーに愛されました。これらのエンジンと組み合わされたATは「パワー」「ノーマル」「ホールド」の3モードを備えた4速ATですが、1997年のマイナーチェンジでINVECS-II(スポーツモード付きAT)を採用しています。

デリカスペースギアに搭載された4WDシステムは、2代目パジェロと同じ「スーパーセレクト4WD」。これは、パートタイム(直結)4WDならでは悪路走破性を維持したまま、フルタイム4WDとして日常的な使用を可能とした三菱独自のシステムです。

中古車の流通量はいまだ豊富ゆえ選び甲斐がある!

以上のとおりのさまざまな機構に加え、「多人数が多用途に使える快適なミニバンであると同時に、本格的なオフローダーでもある」という三菱デリカスペースギアの基本コンセプトは大いにウケました。その結果としてデリカスペースギアは、度重なる一部改良と1997年6月のマイナーチェンジを経て「2007年1月まで」という非常に長い期間(具体的には約13年間!)、日本国内で販売が続行しました。

そしてその中古車は今なおけっこうな人気を集めていて、2019年11月下旬現在、カーセンサーnetの掲載台数は全国で約130台。中古車価格は約20万~約200万円と上下にかなり幅広いのですが、ボリュームゾーンはおおむね50万~100万円といったところ。このあたりのゾーンで内で、コンディション的にもグレード的にも多種多様な中古車が多数流通していますので、自分の好みや予算に合った一台を探し出すのは比較的容易です。

デリカスペースギアの後継モデルに相当する「三菱デリカD5」も、ミニバンとオフローダーのキャラクターを融合させたナイスなモデルですが、いかんせん新車や高年式中古車は「まだまだ高額である」という現実があります。

もう少し手頃な予算で、しかし本格的な実力を備えた「オフローダー的ミニバン」が欲しいと考えた場合は、「デリカスペースギアの中古車」はなかなかステキな」選択肢となるはず。

タマ数は多いですから、ぜひゆっくりじっくり、好みの一台を探していただければと思います。

[ライター/伊達軍曹]