それでは今週も「おすすめミニバンのおすすめグレード」を研究してまいりましょう。今週のお題は、3代目プリウスの派生モデルとして生まれた7人乗り車、トヨタ プリウスα(アルファ)です。
おすすめは5人乗り仕様ではなく7人乗り仕様
ご承知のとおりプリウスαには3列シートの7人乗り仕様と2列シートの5人乗り仕様が存在しています。そのため、まずは「3列か2列か?」というところから検討を始めなければならないのですが、ここはもう「3列/7人乗りで決定!」ということでいいでしょう。
なぜならば「ここはMINI vanラボだから」という身も蓋もない理由がまずあるわけですが、それだけではありません。
7人乗りプリウスαの3列目シートはごく簡単な操作で「フルフラット状態」にすることができるからです。つまり、使わないときは畳んでおけばまったく邪魔にならないということ。であるならば、いざというときのために、3列目は無いよりも有ったほうがいいじゃないですかと、そう考えるわけです。
「ツーリングセレクション」は特に必要なし
そうなると、検討対象とすべきグレードは下記のとおりとなります。
●G“ツーリングセレクション”(7人乗り)|346万5720円
●G(7人乗り)|325万9440円
●S“ツーリングセレクション”(7人乗り)|322万2720円
●S(7人乗り)|291万4920円
●S“ツーリングセレクション・GR SPORT”(7人乗り)|355万6440円
見てのとおり「G」と付くのが最上級グレードで、その下になるのが「S」と付くグレードです。
で、「ツーリングセレクション」というのはホイール径が16インチではなく17インチとなり、そのほかにフロント&リアバンパースポイラーも付くなど、若干スポーティな仕様になっているパッケージです。
このなかからおすすめグレードを選んでいくわけですが、まずそもそも「ツーリングセレクション」をわざわざ選ぶ意味はあまりないように思われます。なぜならば、
●17インチホイールゆえ乗り心地がちょっと硬い感じになってしまう
●最小回転半径も5.5mから5.8mに増えてしまう
ということで、あまりファミリー層向けとは思えないからです。もちろん、ツーリングセレクションならではのシャープな乗り味を好む人もいるでしょう。しかし「家族のためのミニバン選び」を考える当ラボとしては、あくまでも16インチの通常バージョンをおすすめする次第です。
参考:ミニバン/ワゴン車/ワンボックスの買取専門ページです
GとSの装備で決定的に違うのは?
となると、残るは以下の2グレードのみです。(あ、S“ツーリングセレクション・GR SPORT”(7人乗り)はちょっと特殊なため、そもそも検討対象から外しています。すみません)
●G(7人乗り)|325万9440円
●S(7人乗り)|291万4920円
両者の価格差は約35万円。いったいどんな装備差があるのかというと、主には下記のとおりです。
●Bi-Beam LED オートレベリング機能付(Sはメーカーオプション)
●スーパーUV・IRカットグリーンガラス・撥水機能付
●助手席・バックドアのスマートエントリー
●ファブリック×合成皮革のシート表皮(Sはファブリック)
●運転席8ウェイパワー&助手席4ウェイマニュアル フロントシート
●電動ランバーサポート
さすがは最上級グレードということで、どれもそれなりに魅力的です。しかし「決定的」なモノは少ないような気もします。決定的なのはせいぜい「運転席8ウェイパワー&助手席4ウェイマニュアル フロントシート」と「電動ランバーサポート」でしょうか? これは、確かにあったほうがかなり便利かつ快適です。
しかし、繰り返しになりますが、GとSの価格差は約35万円です。上記の2品に35万円も支払う価値があるか……と考えると、やや微妙なのではないでしょうか。
それにそもそもSのフロントシートも、電動ではありませんが「運転席6ウェイ&助手席4ウェイマニュアル」シートではあるのです。
電動であることにこだわらず、そして「8ウェイじゃなくて6ウェイでも十分だべ?」と考えることができるなら、わざわざ約35万円を支払って「いちばんいいやつ」を買う必要もないはずです。
イチ推しは「S(7人乗り)」。値引きも期待できそう!
ということで、結論としては「ファミリー層がプリウスαを買うなら、おすすめグレードはSの7人乗り!」ということになります。
そしてご存じのとおりプリウスαはモデル末期のタイミングです。ということは、「大型値引きも期待できる」ということです。
ぜひ粘り強い商談をして、そもそもお買い得な7人乗りのSを、よりお買い得な総額でゲットしていただければ幸いです。
それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]